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看護系の志望理由・志望動機の書き方|「なぜこの学校なのか」を自分の言葉にする方法
あすなろ講師 平田
看護大学や看護専門学校、助産師・保健師の養成課程、大学院などの受験では、志望理由を考える機会があります。
いざ書こうとすると、
「看護師になりたい理由はあるけれど、うまく文章にできない」
「この学校に入りたいけれど、"なぜここなのか"と言われると困る」
「学校の理念に共感した、と書いてもありきたりな気がする」
と悩む方も多いのではないでしょうか。
志望理由を書くときに大切なのは、立派なエピソードを探すことでも、きれいな言葉を並べることでもありません。
大切なのは、
これまでの経験 → そこで生まれた考えや価値観 → なぜ看護職を目指すのか → なぜその学校なのか → これからどうなりたいのか
が、一人の人の話としてつながっていることです。
今回は、看護系受験の志望理由を考えるときに大切にしてほしい視点をお伝えします。
志望理由は「学校を褒める文章」ではありません
志望理由を書こうとすると、まず学校のホームページを調べる方も多いと思います。
「充実した実習環境に魅力を感じました」
「地域に根ざした看護教育に共感しました」
「少人数教育に魅力を感じました」
もちろん、こうした情報を調べることは大切です。
ただ、学校の良いところを並べるだけでは、その人自身の志望理由にはなりません。
読み手が知りたいのは、「この学校にはこんな良いところがあります」という説明だけではなく、「なぜ、それがあなたにとって大切なのですか」ということだからです。
たとえば「地域医療について深く学べることに魅力を感じた」と書くのであれば、
なぜ自分は地域医療を大切だと考えているのか。
そう考えるようになった経験は何か。
そこで何を学びたいのか。その学びを将来どう生かしたいのか。
そこまでつながって、初めて「あなたの志望理由」になります。
「看護師になったきっかけ」より、そこから何を考えたのか
志望理由では、
「家族が入院したとき、看護師さんに優しくしてもらった」
「幼い頃から人の役に立つ仕事がしたかった」
といった、看護職を目指したきっかけを書くことがあります。
きっかけを書くこと自体は、もちろん悪いことではありません。
ただ、大切なのは出来事そのものより、「その経験から、自分は何を感じ、何を考えるようになったのか」です。
同じように家族の入院を経験したとしても、そこから感じることは人によって違います。
「不安なときに話を聞いてもらうことの大切さ」を感じる人もいれば、「患者さんだけではなく、家族への支援も必要だ」と考える人もいるでしょう。
大切なのは、珍しい経験を持っていることではありません。その経験を、自分がどのように受け止めたのか。そこに、その人の価値観が表れます。
経験から「自分が看護で大切にしたいこと」を探してみる
志望理由を考えるときは、すぐに文章を作るのではなく、まずこれまでの経験を振り返ってみることをおすすめします。
学校生活、部活動、アルバイト、ボランティア、家族との経験など、必ずしも看護に直接関係する出来事でなくても構いません。
その中で、
「考え方が変わった」
「うまくいかなくて考え直した」
「人との関わり方について気づいた」
「これは大切にしたいと思った」
という経験を探してみます。
そして、自分は、人と関わるときに何を大切にしているのだろう。と考えてみてください。
こうした価値観が見えてくると、「なぜ看護なのか」も少しずつ自分自身の言葉になっていきます。
「なぜ看護なのか」と「なぜこの学校なのか」を別々に考えない
志望理由書では、「看護師になりたい理由」と「この学校を選んだ理由」を別々に考えてしまうことがあります。
でも、本来はつながっているはずです。
たとえば、
これまでの経験から〇〇を大切にしたいと思った。
そのため、看護職として〇〇ができるようになりたい。
その力を身につけるために、この学校の〇〇という教育に魅力を感じた。
学んだことを生かして、将来は〇〇のような看護をしたい。
という流れです。
このつながりがなければ、前半では「一人ひとりの価値観を大切にする看護がしたい」と書いているのに、後半では突然「海外研修が充実しているため志望しました」といった文章になることがあります。
海外研修が悪いわけではありません。大切なのは、「なぜ、その特徴が自分の目指す看護につながるのか」を、第三者が納得できるように説明できることです。
アドミッション・ポリシーは「自分との接点」を探しながら読む
看護系の大学や専門学校、大学院の理念やアドミッション・ポリシーを見比べていると、「人間性」「地域貢献」「多様性」「主体性」「協働」など、似た言葉が並んでいるように感じることがあります。
でも、一見似ている言葉の中にも、その学校が大切にしている教育への思いや信念があります。
「理念に共感しました」で終わらせるのではなく、なぜ自分はそこに惹かれたのか。を考えてみてください。
大学で看護教育に携わってきた経験からも、学校が掲げている理念や教育方針には、その学校が「どのような人を育てたいのか」という考えが表れています。
カリキュラム、実習、研究、学校の歴史なども合わせて見ていくと、その学校が大切にしていることが少しずつ見えてきます。
「なぜこの学校なのか」が弱いときこそ、オープンキャンパスに行ってみる
「看護師にはなりたい。でも、なぜこの学校なのかと聞かれるとよく分からない」という方もいます。
保護者から勧められた。自宅から通いやすい。自分の学力と合っている。学校を選ぶきっかけは、それでも構いません。
そんなときこそ、できれば一度、オープンキャンパスに足を運んでみてください。
オープンキャンパスに行ったからといって、特別な志望理由が突然見つかるとは限りません。でも、ホームページだけでは分からなかったことを、自分自身で感じることができます。
たとえば、
「先生が学生に対して親身に接していて、相談しやすそうだと感じた」
「落ち着いた雰囲気で、安心して学べそうだと思った」
「在学生の話を聞いて、実習を大切にしている学校なのだと感じた」
ということは、実際にその場を見たからこそ書けることです。
「アットホームな雰囲気だから志望しました」という言葉だけを見ると、ごく一般的な理由に思えるかもしれません。
でも、「オープンキャンパスで学生と先生が話している様子を見て、質問や相談をしながら安心して学べる環境だと感じた」のであれば、それはあなた自身が見て感じた、主観を伴う志望理由になります。
さらに、「もともと少人数教育に魅力を感じていたが、実際にオープンキャンパスに参加し、より一層この環境で学びたいと思った」とつなげることもできます。
一見、普遍的に見える理由でも、実際に足を運んで確かめた経験が加わることで、説得力は変わります。
特に「この学校でなければならない理由がまだ見つからない」という方ほど、ホームページの前で悩み続けるより、自分で学校を見に行ってみることをおすすめします。
学校の「特徴」を書くだけでは志望理由になりません
「貴校は実習が充実しているため志望しました」と書いたとします。
ここでもう一歩、なぜ実習が充実していることが、自分にとって大切なのか。を考えてみます。
学校の特徴だけだった文章に、自分の経験や価値観が加わると、「私は〇〇を大切にしている。だから、この学校の〇〇で学びたい」という志望理由になります。
学校研究は、学校の良いところをたくさん見つけるためだけにするものではありません。自分と学校の接点を探すためにするものと考えてみてください。
将来像は「立派な看護師像」を作るためのものではありません
志望理由の最後に、「将来はどのような看護師になりたいですか」と考えることがあります。
ここでも、「患者さんに寄り添える看護師」「信頼される看護師」といった、きれいな言葉を無理に探す必要はありません。
大切なのは、なぜ、そういう看護師になりたいと思ったのか。です。
これまで経験してきたこと。そこから大切だと思うようになったこと。この学校で学びたいこと。その先に将来像があります。
つまり、過去→現在→学校での学び→未来がつながっていることが大切です。
志望理由書が立派すぎて「本人」が見えなくならないようにする
志望理由書は、学校の先生や家族からアドバイスをもらうことがあります。最近ではAIを使えば、短時間できれいな文章を作ることもできます。
こうした力を借りること自体が悪いわけではありません。
ただし、文章を整えることに集中しすぎて、本人の考えから離れてしまわないよう注意が必要です。
志望理由書に書かれている内容について、「なぜそう考えたのですか?」と面接で聞かれたときに、自分自身の経験に戻って話せるでしょうか。
書類に書かれている自分と、面接で話している自分が、一人の人としてつながっていること。これは看護系受験でとても大切です。
添削を受けるときにも、「立派な文章にしてもらう」のではなく、自分の中にある考えを、相手に伝わる形に整えるという意識を持ってほしいと思います。
(面接で何が見られているかは、こちらの記事で詳しく解説しています。)
志望理由は「経験→価値観→看護→学校→将来」を一本につなげる
志望理由がなかなか書けないときは、いきなり文章を作らなくても構いません。
まず、
これまでにどんな経験をしてきたか
その経験から、何を大切だと考えるようになったか
それを看護職としてどう生かしたいか
そのために、なぜこの学校で学びたいのか
その先に、どのような看護職になりたいのか
という順番で考えてみてください。
大切なのは、一つひとつを立派にすることではありません。①から⑤までが、一人の人の考えとして自然につながっていることです。
まとめ|良い志望理由は「自分」と「学校」が一本につながっています
看護系の志望理由で大切なのは、特別な経験や印象的な言葉を探すことではありません。
これまで経験してきたことを振り返り、そこで何を感じ、何を大切にするようになったのか。
そして、なぜ看護なのか。なぜこの学校なのか。そこで何を学び、どのような看護職になりたいのか。
を一つずつ考えてみてください。
まだ「なぜこの学校なのか」が見つからないのであれば、学校について調べるだけではなく、実際にオープンキャンパスへ行って、自分の目で見て、話を聞いてみることも一つの方法です。
学校に自分を無理に合わせる必要はありません。反対に、自分が伝えたいことだけを書くのでもありません。
自分が大切にしていることと、その学校が大切にしていること。その接点を探す。
その接点が見つかると、志望理由は「どこかで見た例文」ではなく、自分自身の言葉になっていきます。
あすなろでは、看護大学の元教員が、一人ひとりの経験や思いを大切にしながら、志望理由書・小論文・面接など、看護・助産系学校の受験を個別にサポートしています。
「自分の思いをどう伝えたらいいか分からない」
「この内容で伝わるのか不安」
そんなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。
あなたらしい言葉で、自信を持って受験に臨めるよう、一緒に整理していきます。
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