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看護系の面接対策|面接官は何を見ている?評価される回答の考え方
あすなろ講師 平田
看護大学や看護専門学校、助産師・保健師の養成課程、大学院などの受験では、面接が課されることが少なくありません。
面接対策というと、
「よく聞かれる質問を調べよう」
「志望動機をきちんと答えられるようにしよう」
「長所や短所を準備しておこう」
と考える方も多いのではないでしょうか。
もちろん、事前に質問を想定し、回答を準備することはとても大切です。
ただ、看護系の面接で本当に大切なのは、質問に対する「正解」をたくさん覚えることだけではありません。
面接官は、その質問を通して何を知ろうとしているのか。
ここを考えられるようになると、看護系の面接対策の仕方は大きく変わります。
今回は、看護系の学校・教育機関の面接で、どのような点を意識して準備するとよいのかをお伝えします。
看護系の面接では「特別にすごい人」を探しているわけではありません
一部の難関校や選抜性の高い教育機関では、以下の内容には当てはまりませんが、一般的な看護系の大学や専門学校、養成課程の面接で大切にされるのは、もともと人より抜きん出た能力や特別なリーダーシップがあるかどうかではありません。
むしろ、これから看護を学び、看護職として人と関わっていくうえで必要となる、次のような力や姿勢が見られています。
たとえば、
受験という目標に向けて必要な準備を整えられたか
自分本位ではなく、相手の立場を考えられるか
周囲の人と協働できるか
必要な努力を継続できるか
自分とは異なる背景や多様な価値観を受け入れられるか
困難な状況でも、考え直したり立て直したりできるか
想定外のことに対して、しなやかに対応できるか
といった部分です。
看護は、一人だけで完結する仕事ではありません。患者さんやご家族、多職種など、さまざまな背景や考え方を持つ人と関わりながら、その時々の状況に合わせて考え、行動していく必要があります。
だからこそ、看護系の面接でも、
「この人が入学したら、どのように学んでいくだろう」
「実習の中で、周囲の人とどのように関わるだろう」
「看護職になったとき、どのように力を発揮していくだろう」
という視点から見られていることがあります。
ここで大切なのは、もともと人より抜きん出たリーダーシップがあることや、誰にも負けない特別な能力を持っていることが必須なのではないということです。
華やかな経験がなくても構いません。
これまでの経験にどう向き合ってきたのか。周囲の人とどのように関わってきたのか。うまくいかなかったときに、どう考えて次につなげたのか。
そうした等身大の経験の中にも、看護を学ぶうえで大切な力は表れます。
「自分が強みだと思うこと」と「相手が評価すること」は同じとは限りません
面接では、自分が話したいことではなく、相手が何を知りたいのかを考えることが大切です。
たとえば、「高校生活で大切にしてきたことを教えてください」と質問されたとします。
自分では、「部活動で部長をしたことが一番の強み」と思っているかもしれません。
もちろん、それも大切な経験です。ただ、面接官が知りたいことは「部長だった」という肩書きそのものではないかもしれません。
周囲と意見が合わなかったときにどう対応したのか。
続けることがつらい時期に、どのように努力したのか。
誰かと協力するために、自分なりにどのような工夫をしたのか。
自分が部長として役割を果たすために、周りの人が支えてくれていたことに気づけているか。
そうした部分を知りたい場合もあります。
自分が強みだと思っていることを、相手も同じように強みとして評価するとは限りません。
だからこそ、「私はこれを伝えたい」だけではなく、「この学校は、どのような学生を求めているのだろう」という視点も持って準備する必要があります。
アドミッション・ポリシーには面接対策のヒントがあります
看護系の大学や専門学校、大学院のホームページをいくつか見比べていると、「人間性を大切にする」「地域に貢献する」「多様性を尊重する」「主体的に学ぶ」「多職種と協働する」など、似たような言葉が並んでいるように感じることがあります。
でも、そこで「どこも同じようなことを書いているな」と読み飛ばしてしまうのは、少しもったいないことです。
一見似ている言葉でも、その学校がその言葉を掲げている背景には、教育に対する思いや信念があります。
大学や学校の理念だけではなく、
アドミッション・ポリシー
カリキュラム
教育方針
学校や学科の沿革
実習先
教員の研究分野
卒業後に期待される人物像
なども合わせて見ていくと、「この学校が本当に大切にしていることは何だろう」という部分が少しずつ見えてきます。
大学で看護教育に携わってきた経験からも、教育機関が掲げる理念や方針には、その学校なりの教育への思いが込められていると感じます。
面接対策とは、質問への回答を作ることだけではありません。受験する学校を知り、自分との接点を探すことも、大切な面接対策の一つです。
面接の回答を丸暗記することは悪いことなのでしょうか
「面接では丸暗記してはいけない」と言われることがあります。
ただ、私は丸暗記そのものが必ずしも悪いとは思いません。
一生懸命考えて回答を作り、それを何度も声に出して覚えてきたのであれば、それも立派な事前準備です。面接官にも、「この日のためにしっかり準備してきたんだな」と伝わることがあります。
問題になるのは、覚えてきた答えしか話せない状態になってしまうことです。
面接で聞かれる内容が、すべて事前に準備していた質問と同じとは限りません。予想していなかった方向から質問されたり、「もう少し詳しく教えてください」と深掘りされたりすることもあります。
時には、「そんなことを聞かれると思わなかった」とドキッとすることもあるでしょう。
そんなときに大切なのは、完璧な答えを瞬時に出すことではありません。一度考えながら、自分の頭の中にある経験や考えの"引き出し"から、必要なものを取り出して答えることです。
準備してきた文章をそのまま再生するのではなく、自分がこれまで考えてきたことの中から、その質問に合うものを選んで話せることが大切です。
想定外の質問では「どう向き合うか」も見えています
看護系の学校では、看護教育や臨床に携わってきた教員が面接を担当することもあります。
多くの学生や受験生と関わってきた人には、「事前にしっかり準備してきた答えなのか」「その場で考えながら答えているのか」は、ある程度伝わります。
でも、想定外の質問にすぐに答えられなかったからといって、それだけで悪いわけではありません。
むしろ、そのような場面では、
自分を必要以上に大きく見せようとしていないか。
分からないことを誤魔化そうとしていないか。
無理に知っているふりをしていないか。
質問を受け止め、自分が答えられる範囲で真摯に向き合っているか。
そうした姿勢が表れることがあります。
「分かりません」で終わるのではなく、「今の自分が知っている範囲ではこう考えます」「少し考えてもよろしいでしょうか」と、一度立ち止まって考えることもできます。
看護の現場でも、自分がすべてを知っている状況ばかりではありません。予想していなかったことや、自分だけではすぐ判断できないことにも出会います。
そんなときに、自分を必要以上によく見せるのではなく、今できる範囲で誠実に向き合う姿勢は、とても大切です。
志望理由書・履歴書と面接には一貫性が必要です
看護系の面接対策でもう一つ大切なのが、提出した書類との一貫性です。
面接の土台には、履歴書や志望理由書、自己推薦書など、事前に提出した書類があります。
せっかく時間をかけて志望理由書を準備しても、面接で話している本人の考えと大きく離れてしまっていると、違和感が生まれます。
特に注意したいのが、周囲の大人や先生、添削者、AIなどの意見が入りすぎて、文章だけが、等身大の本人よりも立派になりすぎてしまうことです。
もちろん、文章を添削してもらったり、第三者からアドバイスを受けたりすること自体は悪いことではありません。
大切なのは、最終的に書かれている内容について、「なぜそう考えたのか」を自分自身が理解し、自分の言葉で説明できることです。
面接では、
「なぜそう考えたのですか?」
「もう少し具体的に教えてください」
「その経験から何を学びましたか?」
と聞かれることがあります。
そのときに、志望理由書に書いてある文章を再現するのではなく、自分の経験や考えから話せることが必要です。
履歴書や志望理由書と面接は、それぞれ独立した試験ではありません。書類で伝えている自分と、目の前で話している自分が、一人の人としてつながっていること。看護系の受験では、とても大切にしてほしいポイントです。
志望理由書の書き方については、こちらの記事で詳しく解説しています。
答えを考える前に「なぜこの質問をするのだろう」と考えてみる
面接対策をするときには、質問に対する答えだけを考えるのではなく、「なぜ面接官は、この質問をするのだろう?」と一度考えてみてください。
たとえば、「あなたの短所を教えてください」と質問されたとします。
面接官は、本当にあなたの欠点を知りたいだけなのでしょうか。
もしかすると、
自分自身を客観的に見ることができるか。
自分の課題をどのように受け止めているか。
課題に対して何か工夫や努力をしているか。
そうした部分を知りたいのかもしれません。
同じように、「高校生活で大切にしてきたことは何ですか」「これまでに困難だったことを教えてください」「あなたの長所は何ですか」という質問にも、それぞれ聞く理由があります。
面接対策では、「この質問の模範解答は何だろう」と考えるだけでなく、「相手は、この質問を通して私の何を知りたいのだろう」と考える。
この視点を持つことで、事前に想定していなかった質問にも対応しやすくなります。
まとめ|看護系の面接対策は「正解を覚えること」だけではありません
看護系の面接では、華やかな経験や、誰よりも優れた能力だけが求められているわけではありません。
大切なのは、
必要な準備をしてきたこと
相手の立場を考えられること
周囲の人と協働できること
必要な努力を続けられること
多様な背景や価値観を受け入れられること
困難や想定外のことにしなやかに向き合えること
など、これから看護を学び、人と関わっていくための土台を、自分自身の経験と言葉で伝えることです。
そして面接対策では、
「なぜそのように考えるのか」
「その学校は何を大切にしているのか」
「提出した書類と自分の言葉がつながっているか」
「面接官は、その質問から何を知ろうとしているのか」
まで考えて準備してみてください。
完璧な言葉で話す必要はありません。自分を必要以上に大きく見せる必要もありません。
受験する学校について丁寧に知り、これまでの経験を振り返り、自分自身の考えを少しずつ言葉にしていく。その積み重ねが、看護系の面接対策ではとても大切です。
あすなろでは、看護大学の元教員が、一人ひとりの経験や思いを大切にしながら、志望理由書・小論文・面接など、看護・助産系学校の受験を個別にサポートしています。
「自分の思いをどう伝えたらいいか分からない」
「この内容で伝わるのか不安」
そんなときは、一人で抱え込まずにご相談ください。
あなたらしい言葉で、自信を持って受験に臨めるよう、一緒に整理していきます。
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